2016-5-25
記事
もう定年退職したけど、
私の父は某電気メーカーの工場長をしてた。
詳しくは知らないけど、父の会社では
工場長はなんたら部長って肩書きが付く、
結構偉いポジションだったらしい。
元々両親は父が勤めてる工場から結構離れた
家に住んでたんだけど、父が定年まで
あと数年って頃に通勤('A`)マンドクセってなって、
工場近くの家に引越しをした。
当時それ程離れていない場所で一人暮らしを
していた私は、引越しが済んでから初めて
新しい家に行った。
引越した先は3Kの木造アパートで、
正直あまり綺麗な家ではなかった。
もうちょっと広くて綺麗な家に住んでも・・・
と思うのは私だけで、両親はそういう事に
全く頓着が無く、近所にお花見できそう
な綺麗な公園があるのよって言ってた。
両親が決めた事だし、家はいいとして、
問題だったのは隣人のおばさん。
両親の家と同じ間取りに息子と住んでた。
初めて挨拶した時から何か感じ悪い
おばさんだなと思ってたけど、実際嫌な
おばさんで、事あるごとに母にチクチク
嫌味を言って くる人だったらしい。
私の両親は温厚な人で、嫌味を嫌味と
気付かないような所があり、こんなこと
あったよって隣のおばさんの話を聞く度に、
私一人が失礼な婆!って腹を立ててた。
ハッキリ覚えてるのは、休日両親の家に
遊びに行っていた私と母が、スーツ姿の
息子さんを見送るおばさんと玄関先で鉢合った時の会話。
母
「あら、息子さんお仕事ですか?お休みなのに大変ですね。」
婆
「ええ、大きなお仕事の話があるみたいで。」
母
「そうなんですか。ご立派ですねー」
婆
「まぁ、私の息子は何とかスーツを着れる
お仕事には就けましたので・・・(ニヤニヤ)」
母
「そうですか・・・でも、普段スーツを
着なくても立派なお仕事はいくらでもあるんですよ。」
婆
「そうですか(ニヤニヤ)」
私の父は普段作業着で自転車に乗って出勤してた。
おばさんはきっと、スーツ>作業着みたいな、
何の根拠も無い優越感に浸ってたんだろうけど、
明らかに見下したような言い方が許せなかった。
流石の母も嫌味を言われてると気付いたようだったけど、
そのまま会釈をして何事も無かったように出掛けた。
母はいいのいいのって言ってたけど、私は悔しくて、
その一件以来本格的に隣のおばさんを嫌いになった。
そんなこんなでおばさんは相変わらずのまま、
父の定年が近付き、両親は退職金と貯金で家を
買う事にした。
なんと、父の担当になった不動産会社の営業は
おばさんの息子!
息子はその地域の不動産の営業マンで、近所の公園が
えらく気に入った両親が近場で家を探していた所、
息子が働く不動産会社に行き着き、社員で
ある息子とお隣だと気付いた不動産会社の人が
息子を担当にしたらしい。
それからというもの、おばさんは母と玄関先や
ベランダで鉢合わせそうになると慌てて部屋に
入っていったりと、今まで顔を合わす度に
ちょっかいを出してい たのが一変、
家の人間を避けるようになった。
両親も気に入った家を見つけ、ほぼ商談成立となった頃
のある日、家族で食事をした帰りに家の前でおばさんに
バッタリ会った...
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