2016-5-3 記事
迷い犬

数年前の話。

仕事帰りに比較的交通量が多く、
街灯の少ない道を疲れ切って歩いていると、
前方から地面を這うようにして何かが
のそっ… のそっ… と近づいてきた。

びっくりして足を止めて、
まじまじ見てみると犬だった。

小型犬。
リード等はなし。
驚いて脇に寄り、
犬の相手をしながらしばらく待ってみたけれど
飼い主らしい人影もなし。

仕方なく捕獲して最寄りの交番へ連れて行き、
拾得物の届出なんかをして
自宅で預かることになった。
うちにも犬がいたし。

地元のペット掲示板などに
『迷い犬保護』
の書きこみをして数日ほど経ったある日、
見知らぬご夫婦と男の子が二人来襲してきた。
「うちの犬が
お宅にいるそうだから引き取りにきた」
とのこと。

飼い主見つかった!と喜ぶと同時に、
掲示板には個人情報は書いてないのに、
なんでうちが分かったの?
と違和感を感じて
「もちろんお返しします。
でもその前に
お宅の犬だという証拠を見せてください」
とお願いしたところ、
いきなり
「そんなもんないわよ!」
と切れられた。

「ペットショップでの売買契約書か、
血統書か、
ご家族で撮った写真ですとか、
何かあるでしょう?」

と言っても一切「ない!」の一点張り。

そのうち
「返さないつもりかこの泥棒!」
と夫婦でヒートアップしてきて、
クソガキ二人も
「どーろぼ♪どーろぼ♪」
と囃しはじめた。

すごい怖かった。
この時が第一修羅場。

その辺りで、
騒ぎを聞きつけたご近所さんが警察に通報。

交番からお巡りさんが駆けつけてくれて、
お巡りさんの姿を見た途端夫婦逃亡。
子供置いて。
つってもすぐに捕まってたけど。

その場で話を聞くと、
結局犬は夫婦とはなんの縁もゆかりもなく、
近所の噂でうちが迷い犬を保護したと聞いて、
「子犬をとれば金になる!
子犬産ませられなくても売れば金になる!」
と思ってやってきたのだそうだ。

それからちょっとごたごたしたけれど、
最終的に自分たちのやろうとしたことが
詐欺に当たると理解したことと、
友人知人に知れ渡って大恥かいたことで、
『我が家には二度と関わらない』
という念書を書いてもらって収束した。

犬の飼い主は見つからなかった。

それから一月ほどして、
うちの犬と迷い犬とを連れて散歩をしていると
見知らぬ女性が声をかけてきた。
仮にAさんとする。

以前のことがあるので多少の警戒はあったが、
「Bさん宅の犬に似ている」
と言われて、
Bさんに聞いてみてもらうことにして、
連絡先を交換して別れた。

後日近所の公園で犬連れで落ち合う。

迷い犬はやってきたBさんを見た途端に
暴れて私の腕から飛び出そうとして、
しっぽをぶんぶん振っていた。

「あ、この人飼い主だ。」
とすぐに分かった。

でもBさん、
犬を見たまま嫌な顔をする。

なんだろうと思って話を聞いてみると…
この後のお話は続きを読むからご覧ください。


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