2016-1-26 感動
その女性は、何をしても続かない子でした。
田舎から東京の大学に来て、部活やサークルに
入ったのは良いのですが、すぐにイヤになって
次々と所属を変えていくような子だったのです。

そんな彼女にも、やがて就職の時期が来ました。
最初、彼女はメーカー系の企業に就職します。
ところが仕事が続きません。
勤め始めて3ヶ月もしないうちに上司と衝突し、
あっという間にやめてしまいました。

次に選んだ就職先は、物流の会社です。
しかし入ってみて、自分が予想していた仕事とは
違うという理由で、やはり半年ほどでやめてしまいました。
その次に入った会社は、医療事務の仕事でした。
しかしそれも『やはりこの仕事じゃない』と
言ってやめてしまいました。

そうしたことを繰り返しているうち、
いつしか彼女の履歴書には、
入社と退社の経歴がズラっと並ぶようになっていました。

すると、そういう内容の履歴書では、
正社員に雇ってくれる会社がなくなってきます。
ついに、彼女はどこへ行っても正社員として
採用してもらえなくなりました。
だからといって生活のためには働かないわけにはいきません。
田舎の両親は早く帰って来いと言ってくれます。
しかし、負け犬のようで帰りたく、ありません。
結局、彼女は派遣社員に登録しました。

ところが、その派遣も勤まりません。
すぐに派遣先の社員とトラブルを起こし、
イヤなことがあればその仕事をやめてしまうのです。
彼女の履歴書には、やめた派遣先のリストが長々と追加されていました。
ある日のことです。新しい仕事先の紹介が届きました。
それは、スーパーでレジを打つ仕事でした。
ところが勤めて1週間もすると、
彼女はレジ打ちに飽きてきました。
ある程度仕事に慣れてきて、
『私はこんな簡単な作業のためにいるのではない』と
考えだしたのです。
その時、今までさんざん転々としてきながら
我慢の続かない自分が、彼女自身も嫌いになっていました。
もっとがんばるか、それとも田舎に帰ろうか。

とりあえず辞表だけ作って、決心をつけかねていました。
するとそこへ、お母さんから電話がかかってきました。
また田舎に帰ってくるよううながされ、
これで迷いが吹っ切れました。
彼女はアパートを引き払ったらその足で辞表を出し、
田舎に戻るつもりで部屋を片付け始めました。

長い東京生活で、荷物の量はかなりのものです。
あれこれ段ボールに詰めていると、机の引き出しの奥から
手帳が出てきました。
小さい頃に書き綴った自分の大切な日記でした。
無くなって探していたものでした。

そして日記をパラパラとめくっているうち、
彼女は、『私はピアニストになりたい』と
書かれているページを発見しました。
そう、彼女の小学校時代の夢です。
『そうだ。あの頃私は、ピアニストになりたくて
練習を頑張っていたっけ』と、
彼女はあの時を思い出しました。

彼女は心から夢を追い掛けていた自分を思い出し、
日記を見つめたまま、本当に情けなくなりました。
『あんなに希望に燃えていた自分が今はどうだろうか。
なんて情けないんだろう。そして、また今の仕事から逃げようとしている…』
彼女は静かに日記を閉じ、泣きながらお母さんに電話したのです。

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